Nゲージ 京都丹後鉄道MF100,200型製作記1(前面取り付け、積層痕消し、下地塗装)

車両

この記事ではBOOTHにて頒布予定の、京都丹後鉄道MF100,200型の製作過程をご紹介します。

 京都丹後鉄道MF100、200型は1988年、旧宮副鉄道の開業にあたり、同社が6両導入した気動車です。MFの名は宮福鉄道の名前から来ています。2023年8月現在5両が廃車となり、残るMF102号が「海の京都」ラッピングとなり、カラフルな姿で宮津と福知山を往復しています。

MFには塗装バリエーションが沢山ありますが、今回はMF103(光秀くんラッピング)を作ってみます。
※当記事のキットは試作品のものです。頒布品は若干の形状の違いがある場合があります。


完成状態です。


実車の写真です。

製品について
・家庭用3Dプリンター製で製造しています。以下の内容をよくご理解の上、制作して下さい。
・レジンは油性レジン(アルコール洗浄)を使用しています。
・各パーツにはサポート材が付いています。ニッパー等で切り取ってください。
レジン製品の材質はプラモデル等のABS樹脂とは違い、硬く割れやすい性質を持ちます。力を加えたりすると破損する可能性がありますので、サポート材の除去などは丁寧に行ってください。
レジンキットは通常のプラモデル用接着剤は使用できません。接着には瞬間接着剤、ゴム系接着剤をご使用ください。
・3Dプリンターの特性上、積層痕、接合面の隙間、多少の歪みや造形の乱れがあります。積層痕が気になる場合はサーフェーサー、ペーパーで整えてください。歪みはドライヤーで温めると柔らかくなりますので形を整えてください。あまりにひどい歪みは交換しますのでご連絡下さい。パーツがはまりにくい場合はヤスリで若干穴を広げてください。
・ペーパー掛け後など水洗いする場合は短時間で行い、速やかに乾燥させてください。長時間水につけると変形する場合があります。
・塗装前には剥がれを防止するため、プライマーやサーフェイサーなどで下地処理を行ってください。
・デカールは家庭用プリンターで印刷しています。表面をこすると剥がれてしまうので取扱いにはご注意ください。

〇内容物の確認


商品一式です。

サポート材土台に番号の刻印がありますので、以下のパーツがそろっているか確認してください。
①車体
②前面2E(2エンド側福知山方)
③前面1E(1エンド側宮津方)
④スノープロウ2E
⑤スノープロウ1E
⑥スノープロウ2E(TNカプラー対応)
⑦スノープロウ1E(TNカプラー対応)
⑧ヘッドライトケース
⑨新クーラーユニット
⑩旧クーラーユニット
⑪クーラーダクト
⑫ベンチレーター
⑬アンテナ
⑭信号炎管
⑮ライトベースユニット 2個
⑯ブレーキ管
⑰元ダメ管1E
⑱元ダメ管2E
⑲ジャンパー栓
⑳サイドミラー
㉑前面窓
㉒前面角窓
㉓下部前灯プリズム
㉔尾灯プリズム
㉕上部前灯プリズム
㉖床下機器
※⑨⑪⇔⑩、並びに④⑤⇔⑥⑦は選択式です。制作する車番や仕様によってパーツを選びます。
※ブレーキ管など小パーツは予備品が付属しています。

〇デカール5種


MFロゴ(銀)


車番(白)


行先幕、ワンマン表示灯
ワンマン表示灯は一番上の黒枠緑の上にワンマンの文字を重ねて貼ります。


検査表記


ドア出入口表示
※デカールには印刷のカスレを考慮して余分があります。各マークは切り抜いてありませんので、カッターナイフでデカールの周囲を切り取って水に浸けてください。

〇別途購入パーツ
〇TOMIX 2617樽見鉄道 ハイモ295-315形又は、8640プラレールラッピング又は、 8614 長良川鉄道 ナガラ300形
これらの動力ユニットを流用します。
型番2617、8614であればそのまま使えます。8640(プラレールラッピング)は台車がグレー形成なので黒に塗装すれば使えます。その際、台車は軟質プラなのでプライマーが必須です。
動力ユニットの他、室内灯プリズムも流用します。

〇MF103用デカール

当方で頒布しています別売りのMF103用デカールも用意します。

〇取り付け方向について
組立前に車体パーツ等の取り付け方向について説明しておきます。
1エンド側(宮津方)と2エンド側(福知山方)の区別ですが、各パーツの刻印にある矢印が2エンド側を示しています。前面を取り付ける際はこの△マークをそろえてください。


車体内側の△マーク。三角マークの方向が2エンド側。


2エンド側に取り付ける各パーツの△刻印。


スノープロウはパーツ自体に△の刻印があります。


床下機器も底面に△マークがあります。
これらの向きを間違わないよう気を付けてください。特に前面の接着には十分注意してください。

〇サポート材の切り離し


車体と前面のサポート材を切り離します。


ニッパーでサポート材を切り離します。車体底面から伸びている太めのサポート材をニッパーで除去します。


下部の細い部分だけになったら、ニッパーを使わずむしり取るように除去します。


前面は細いサポート材のみですので、少しずつ力を加えてむしり取ります。


格子状のサポート材は表面処理や塗装が終わるまでつけたままの方がよいでしょう。
積層痕等を処理するときに車体に力を加えすぎて、変形するのを防ぐことができます。


サポート材の付いていた方の前面との接合面はカッター、ヤスリ等でできるだけ凹凸のないようにしておきます。


車体との接合面はヤスリで平滑にしておきます。

〇前面の取り付け
最初に車体に前面を取り付けます。
このキットの最初にしておそらく一番の難関だと思います。


ここで間違えやすいポイント!
前面は1E(1エンド宮津方)2E(2エンド福知山方)と向きがあります。


内側の突起が車体のくぼみと合うように接着します。


なるべく隙間ができないように固定しながら瞬間接着剤を流し込みます。流れ込んだ接着剤で指と車体をくっつけてしまわないよう注意してください。


サポート材の付いていた2E側はどうしても隙間ができやすくなってしまいます。これは後ほどパテで埋めていきます。

〇積層痕や隙間の処理
車体には3Dプリンター特有の積層痕やスジが入っています。これらをなるべく平滑にする作業です。


車体の塗料の食いつき改善と積層痕などの修正箇所を見つけるために、一旦プライマーとサーフェイサーを吹きます。私はこの2つが同時にできるクレオスのMrプライマーサーフェイサーを愛用しています。もちろん別々に塗っても構いません。


サーフェイサー塗装。


サーフェイサーを吹いてくっきりと浮かび上がった隙間と積層痕。これを修正していきます。


接合面の隙間を埋めます。瞬間接着剤などでもできそうですが、はみ出した場合ディテールを埋めてしまいそうなので今回はタミヤパテを使います。このやり方がベストではないかもしれませんが、私の場合は手元の道具で手軽にできる方法でした。


綿棒の先に絡めて・・


擦り付けて埋めていきます。


少々はみ出して他のディテールに入り込んでも、すぐにふき取れば除去できます。


Mrカラーうすめ液を綿棒にしみこませてはみ出した部分をふき取ります。(ピンボケ画像ですみません・・)


惜しみなく綿棒を使い余分をふき取るのがコツです。


綿棒でどうしてもふき取れないパテはカッターなどを使って除去します。


手すりのくぼみなどはPカッターが便利です。


続いて積層痕を水をつけたヤスリで磨きます。写真は割りばしの先端に両面テープで耐水ペーパーを貼り付けた自作の道具です。600番→800番→1000番→2000番と番手を細かくして仕上げていきます。


ディテールの少ない部分はゴッドハンドの神ヤスを使用しています。水をかけて目詰まりを防ぎながら作業します。


屋根のRは特に積層痕が目立つので丁寧に仕上げます。


一通り磨き終わった車体。


流水をかけながら軽くブラシでこすって余分な粉を落とします。この時強くこすりすぎて側面窓のサッシを折らないように注意してください。水分はキッチンペーパーなどでふき取り、早めに乾燥させてください。3Dプリンター製品は長時間水分に触れると歪みやすくなります。


乾燥後、もう一度サーフェイサーを吹いて目立つ積層痕や隙間が無いか確認します。あれば上記作業を繰り返します。

特に問題なければ車体は完成。

次に続きます。

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